水素原子の「電子軌道」の波動関数,シュレディンガー方程式の解

E.関数R(ラゲール陪多項式)

関数R(r)の式(B-3)を解きます。
関数R(r)  再掲

まず並べ替え、整理します。

関数と変数を次のようにおきます。

これより次のようなことが言えます。

次のようにおきます。

次のようになります。

第1項を書き替えます。

関数S(ρ)を、さらに次のような初項がゼロでないベキ級数の関数に置き換えます。

これらを代入すると次のようになります。

式(E-9)は、ラゲールの陪微分方程式 (Associated Laguerre’s Differential Equation ) と呼ばれています。この式(E-9)を解いていきます。


上式はラゲールの微分方程式(Laguerre’s Differential Equation )です。このラゲールの微分方程式は、ルジャンドルの微分方程式ほど知られていませんが、掲載されている微分方程式の本もあります。このラゲールの微分方程式を経由して式(E-9)を解く方法もあります。しかし今回は、式(E-9)ラゲールの陪微分方程式を、級数を使った数学的帰納法で解いていきます。

最初に漸化式を求めます。そして次に数学的帰納法により解いていきます。

解いていくと次のような解が得られます。

以上でrの波動関数R(r)が得られました。しかし規格化されていません。次に規格化します。


規格化された波動関数R(r)
関数R(r)の規格化の式は次のものです。 
再掲

R(r)は実数の関数でありR*(r)= R(r)である。ゆえに次のように簡略化できます。

ここで関数R(r)に規格化定数Nを追加し、規格化された関数R(r)を次のようにおき直します。

規格化の式に代入すると次のようになります。


定積分部分は次の値であることが知られています。


これを代入すると次のようになります。

ここでは規格化定数として次を採用します。



ゆえに規格化された関数R(r)は次のように得られます。
表現が異なる3種類を書いておきます。

●ρで表わした規格化された関数R
関数 を解いた直後の形。変数ρは主量子数nとボーア半径a0に対して比で表わされています。


●σで表わした規格化された関数R
変数σはボーア半径a0に対して比で表わされています。


●rで表わした規格化された関数R
α=Z/(na0)およびr=2αρより、変数をρ→rと戻す。
球面座標の変数r(電子と陽子の2点間距離)で、これが求めた関数 。







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