水素原子の「電子軌道」の波動関数,シュレディンガー方程式の解

F.波動関数一覧


規格化された全波動関数、つまり水素原子の「電子軌道」の波動関数は、関数R、関数Θ、関数Φ、この3個の関数を掛けて求めます。
変数分離
主量子数n、方位量子数ℓ、磁気量子数mは、次のような値をとります。
量子数

水素原子の「電子軌道」の波動関数を求め、以下の2表に一覧にしています。
極座標での水素原子の波動関数(n=1, 2)

極座標での水素原子の波動関数(n=3)

上表は波動関数を球面座標で表わしていますが、次の関係式を使うと、波動関数をXYZ座標で表わすこともできます。
XYZ座標で電子( x1, y1, z1 )、陽子( x2, y2, z2 )とおきます。重心は原点( 0, 0, 0 )です。
通常は省略される重心補正の概念

換算質量(reduced mass)mrは次のようにおきました。
換算質量
そこで次の様におきます。
通常は省略される重心補正の式1
図中のr1は次の様に表わせます。
通常は省略される重心補正の式2
ほとんど1です。

XYZ座標の電子( x1, y1, z1 )は、球面座標(r, θ, φ)で次の様に表わせます。
極座標からXYZ座標への変換式1

今、電子の状態だけを使っていますので、電子の座標を( x1, y1, z1 )→( x, y, z )と簡略表示にします。次の様に表わせます。
極座標からXYZ座標への変換式2

波動関数を、XYZ座標表示にします。
XYZ座標での水素原子の波動関数(n=1, 2)

XYZ座標での水素原子の波動関数(n=3 [l=0,1] )

XYZ座標での水素原子の波動関数(n=3 [l=2] )



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